Adobe Photoshop iPad版の切り抜きについて解説します。
デスクトップ版とiPad版の違い
iPad版は指またはApplepencilのようなペン型デバイスで操作するためか、ペンツール・マグネット選択ツールがありません。人工知能Adobe Senseiを使ったオブジェクト選択ツールやクイック自動選択を使うのがメインとなります。
処理に不向きな画像
Adobe Senseiの精度は良いですが、背景と被写体の色域と明度に差がない画像の処理は苦手です。
「消去」を使った切り抜き手順
画像を開くとデフォルトで背景レイヤーとしてロックがかかっているので、レイヤーアクション > レイヤーのロックを解除をします。
(1)左から2番目のオブジェクト選択ツールを選び、花瓶とひまわり囲うようにスワイプ。
(2)ワークスペースの下部にある選択範囲のプロパティバー > 反転で選択範囲を反転。
(3)プロパティバー > 消去をタップ。ひまわり花瓶の周りが削除されます。
レイヤーマスクによる切り抜き手順
元画像を破壊せずに背景透過(非破壊編集)ならレイヤーマスクで処理します。
選択範囲 > マスクのアイコンをタップ
これだけです。
iPad版では、画面右上タスクバーのレイヤーの簡易表示アイコンでレイヤーサムネイルを表示させ、ダブルタップするとカンバスが白黒表示になります。
レイヤーマスクの仕組み
レイヤーマスクとは白い部分を表示させ黒い部分を隠す機能です。白色のブラシで一筆描くと筆跡に背景が表示されます。
動物や人物の毛先の切り抜き方
iPad版も境界線調整ツールがあるので、細かい毛先の切り抜きも可能です。
(1)左から2番目のオブジェクト選択ツールを選びます。
(2)猫全体を囲うようにスワイプ。猫が選択された状態になります。
(3)画面下にあるプロパティバーのその他 > 境界線の調整をタップします。
(4)すると、デスクトップ版の「選択とマスク」のようなワークスペースが開きます。表示モードを「白黒」にして、エッジの検出し毛先を拾います。
白黒表示はこのように細かいところまで範囲選択が可視化できるので便利です。
表示モードを白黒以外に切り替えます。
(5)表示モードで「白地」or「黒地」で確認した時、フリンジ(境界線のゴミ)が残る場合、不要なカラーを除去をオンにします。
デフォルトで量が100%になっています。量が多い程余計な部分まで除去されてしまう場合、数値を下げると良いでしょう。
(6)出力をマスク付きの新規レイヤーにして画面右上の「完了」をタップして調整完了です。
境界線調整ブラシツールってどこ?
境界線調整ワークスペースの左上のツールバー「+」「-」が境界線調整ブラシツールにあたります。
デスクトップ版と同様、境界線をなぞると細かい毛先が拾えます。